「いっせ~の~せっ!!!」
「いっせーのーせっ!!!」


「4と8と9!」
「1と4と8と9!!」



そう、あの時CDを買ったら気に入った曲を言い合おうと約束したんだ。


いつも、同じ曲で不安になったり、明るくなったりしていたあたし達


繋がりが欲しかっただけ



お互い同じ想いを抱えていることに浸りたかっただけなんだ。




「なんで4つも?ダメだよぉ!!」


「いや、変わらねぇ~から、流奈だって3つじゃんかんよ」



「ってゆ~か、3つもかぶってるじゃん!!すごーい~!!」



「おい、聞いてる?人の話し」


「好きな曲3つも一緒だなんてっ!!!」


「聞いてねぇ~し」



ただ単純に嬉しかった。


飛翔くんと同じ曲を選んだことに……



知ってた?


何度も何度も聞き直したんだよ?


二人の影を合わせながら、自分たちと重ね合わせながら……



「やっぱり、同じなんだねっ!気持ちが……って飛翔くん??」


「あ?」


「どうした??」



「いって~!なんか目に入ったんだけど……」そう言いながら目をこする飛翔くん。


その姿に、あたしは胸を痛めた


嘘だよね?


ゴミが入っただなんて……


そんな嘘、すぐに分かるよ



だけど、その涙の理由を聞くほどあたしは大きな心を持ち合わせてはいない



きっと、あたしも同じように涙を流してしまうだろうから。



小さな喜びも感じなくなってしまって、せっかく繋ぎ合わせた手が離れてしまいそうだから。



「なぁ~んだ、感激の涙かと思ったのに、ゴミか……」そう言いながら、おちゃらけるのが精いっぱいなんだ。