その後、飛翔くんはあたしのいる公園の前を車で通るから見逃すな!なんて言っていたのにも関わらず、
涙を拭ったあたしは、千夏のブランコを押していて、飛翔くんが通る瞬間を見逃していて気づいたら、車が去った後だった。
それをメールに打てば《気づくのおせ~の!!》だなんて怒りマークまで入っていたが、そんなメールさえ、あたしを笑顔に変えてくれた。
再びフォルダーに残っていく飛翔くんからのメール。
これはあたし達の愛があるという証……
それを見つめていると、自然と笑顔になっていく……
「ママ?こうえんきたから、げんきになったね?」
「えっ?」
「おうちにいたとき、げんきなかったから」
そう言うと、元気に走りながら「ママかえるよ~!!」とさけんでいる、ちいがいる。
「うんっ!!」
そう言いながら笑ったつもりだが、上手く笑えていなかっただろう。
幸せそうにほほ笑んでいる千夏を見ていると正直、心が痛む……
“あたし何やってるんだろう”なんて思ってしまう。
それでも飛翔くんを求めてしまうあたしは、やっぱり母親失格なのかと思う。
だけど、今のあたしは飛翔くんを失ってしまえば笑うことさえ忘れてしまうだろう
皮肉なことに、気持ちは忘れず残りつづけて
それに苦しみ続けただろう……
見上げた空は、吸い込まれてしまいそうな綺麗な色であたしを迎え
“もう少しだけ、夢の続きをみさせて下さい”
そう、心の中で呟いた……。



