えっ………?
時間を確認するために開いた携帯
その画面の上にメールマークがついているのを確認すると、あたしの手からはまるでドラマのワンシーンのように携帯がするりと落ちていた。
見間違い……?
いや、そんなことはないと思う。
これが見間違いというならば、それは“幻覚”という言葉になるだろう。
だとすれば、あたしはもう助からないほど重症だと言うことになる。
☆飛翔くん☆と打ち込んであるフォルダーに確かにメールマークがついていた、それが気になるはずなのに、落ちた携帯を取る勇気もない。
「はい、どうぞっ!!」
そう、前に差し出されたのはあたしの携帯で拾ってくれた、千夏の友達はついた砂まではらってくれていた。
「ありがとう」
そう笑顔で言うと「うんっ♪」と笑顔で返してくれた。
手元に戻ってきた携帯を眺めながら、メールが開かれるボタンを押すと間違いなく飛翔くんからのメールが入っている。
《話しがしたい》
それだけが打たれたメールを見ながら、あたしの心臓は忘れかけていた速さで動きだす
そして、また夢と現実の境目が分からなくなってしまった感覚を取り戻す……
メールが入ってきた時間を見れば、今から30分も前に入ってきていていて
千夏の方へ視線を送りながら、あたしが返信ボタンに手をかけると《どうやって?》と打ち込み送信した。
もう二度と、このフォルダーにメールマークがつくことなんてないと思ってたのに……
ーー送信しましたーーと画面に出たかと思えばすぐに飛翔くんから入ってきたメールに切り替わりやっぱりこっちが現実なんだと確信した自分がいた。



