「なんだって?」


その様子を見てなのか、心配そうに香織があたしに言葉をかけてくれる


「流奈はこれで終わりでいいの?って」


「いいの?」


飛翔くんと同じ言葉をふってくる香織に「いやだ」そう力強く答えた。


「じゃあ話した方がいいよ、あたし帰ろうか?」


「ううん、大丈夫!逢うわけじゃないし……」


「そっか……」そう言いながらグラスの中に入っている残りのビールを飲みほした香織は


「なんか飲む?」と聞いてくれて、注文してくれた。




いつもよりお酒がまわるのはなぜだろう……



「大丈夫?」と心配してくれる香織に笑顔で答えると

《いい訳ないじゃんよ、バカ…逢いたいょ》と飛翔くんに送った。



「しかしさ、流奈がどうしてそんなに惚れこんでるのかがあたしには理解不能だわ」


「なんで?」


「自分はいつも追わないでしょ?」


「う〜ん」


「本当に好きなんだね」


「なんか、いつも好きじゃないみたいじゃん」


「じゃないの?」


「ひどっ……!!」



どんなに、辛い時でもこうして笑わしてくれる香織が本当に心強い。


だからこそ、弱い自分も見せられる……



「ほら、携帯っメール鳴ってる!!」


新しく運ばれてきたカクテルを飲み干そうとしている時に、香織の言葉ですかさず携帯に手を伸ばす



「じれったいな、逢って話したら?」



「ちょっ、逢って話がしたいって!!!行ってもいい?って」


「だから、言ってんじゃん。話せば?あたしは帰るから」



いかにも、もう席を外そうと残りのお酒を飲みながらバッグを抱えようとする香織を慌てて止めた。