「おい、風邪ひくぞ……」


えっ??


気がつけば、目の前には旦那の姿があって


その陰から窓から差し込んでるのであろう光があたしの顔を照らしていてその眩しさに咄嗟に目を閉じた。


あたしの心とは正反対な太陽が家の中に燦々と差し込んできている


「あれっ?ここで寝ちゃった……」




記憶を辿ると、帰ってきて放心状態なあたしはそのままソファーに崩れ去るように寝転がって……


で、今まで飛翔くんから入ってきたメールを眺めながら……


あっーーー!!!


「ねぇ?流奈の携帯は??」


たぶん、そのまま寝落ちしちゃったあたしは、携帯のメールが開かれたままだ。


「知らねぇよ?」


起き上がり、周りを探しても見つからない。


見られたらマズイんだ……



「あっ、お前の下じゃねぇ?」

「えっ??」


少し腰を浮かすと、ストラップがあたしのお尻の下から顔を出している。


「あっ、あった!!ごめん」


「なんだよそれ……」


案の定、メールは開かれたままで《もう少しで流奈に逢えるっ♪》なんて文字が飛び込んできて、あたしは自然と旦那の方へ視線をぶつけた。


そんなあたしの焦りなんて旦那は知る由もなくて、テレビに見入っている。


見られなくて良かった


その部屋から、逃げるように出ると、携帯を片手に


その液晶の画面にメールマークがついていないことに肩を落とした。