「そうだっ!!」
「なんだ?いきなり」
「じゃあさ、アルバム買ったら最初から最後まで聞いて良かった曲を言い合おうよ!」
「お前また俺の真似すんだろ?」
少し体をはなした飛翔くんはあたしの顔をのぞき込みながら、疑いの眼差しをぶつけている。
「してんのは飛翔くんだし!」
「しねーよ!じゃあさ「せーの」で言えばよくね?」
「そうだね♪」
同じアルバムを聞いて、どの曲に共感したか言い合う。
そんなことだけでもワクワクしていて「これで流奈と俺の気持ちが重なっているかが分かるな」なんて笑いながら呟く飛翔くんに
あたしも自然と笑っていた。
少しでも一緒にいたい
1分でも1秒でも多く、一緒に……
そして、少しでも笑っていたい
飛翔くんの隣で、
いつか、もし飛翔くんと離れることがあった時に笑顔のあたしが浮かび上がるように。
でも、あたしは色んな飛翔くんを見て胸に焼き付けておきたいんだ
悲しい顔も、苦しそうな顔も、
寂しそうな顔も、怒っている顔も、
いじけてたり、ふてくされている顔も
笑顔で幸せそうに笑っている顔も
全て
全てが消えないように、色あせることがないように焼き付けておきたい。
忘れられてしまうことより
忘れてしまう方が怖いから……



