目を瞑ると思いだす


全身で感じた飛翔くんの温度を



飛翔くん体の温度とあたしの体の温度が溶け合いひとつになる




「愛してる」



お互いの温度を感じながら静かにそう言った飛翔くんは



悲しそうな顔をしていたね



あたしのことをまるで壊れものを扱うように


優しくそっと手を滑らせた




何度も交わしていたキスも



あの時だけは違くて



全身で飛翔くんの不安を感じたんだ






ずっと苦しいだけだったのかな



あたしといて


少しでも幸せを感じてくれた時は



本当にあったのかな