「どうしたの?」
寝転がっていた飛翔くんが、いきなり起きてはあたしの横にかしこまって座っている。
えっ??
あたしも慌てて起き上がり、同じように座ってみたが真剣な顔をしている飛翔くんから思わず視線を反らしてしまった。
「俺の気持ちを知ってほしい」
「えっ?」
「真剣な話をしたいんだ」
その言葉で、さっき飛翔くんが目を瞑り考えていたのは、これから話そうとしていることなのかと思った。
飛翔くんもきっと、あたしと一緒にいる時でさえ幸せな時間に浸るよりも、こうして色々なことを考え苦しんでいるのだろう。
それがちょっぴり切なくもなったが、あたしはその姿を笑顔で見つめていた。
「流奈と一緒になりたいと思ってる……」
「うん」
「仕事を本格的に探そうとしているんだ」
「うん」
「行動に出さなきゃ、いくら流奈と一緒になりたいって言ってても口だけになっちゃうから」
「うん」
「本気で旦那から奪いたい!」
「流奈だって、ずっと飛翔くんと一緒にいたいって思うよ」
苦しかった
飛翔くんの真剣な眼差しが突き刺さって
あたしを見つめる瞳は、あたしの心を突き刺す。
そして、その言葉に繋がっているものがあることをあたしは知っている。
飛翔くんはあたしが離婚することを望んでいる
自然と涙が零れおちていた
「飛翔くん……!!」
「もう離れたくないよ」
飛びついた飛翔くんの胸は凄く大きくて、この胸に飛び込めば幸せなのかもしれないのに
あたしはきっと飛翔くんの望んでいるもの全てに答えてしまうことが出来ないことを分かっている。
「俺だって、離したくないよ」
きっと、あたし達に訪れる結末は別れなのかもしれないと思えば思うほど怖くて、おもいっきりしがみついていた。



