「俺、ラブホ初めてなんだよね」


「えっ?」


「えっ?じゃなくてさ」


「うん」


その言葉はなぜか重くて、胸が痛くてしがみついていた腕の力が少しだけ緩んだ



部屋決めに戸惑っていた飛翔くんが「流奈は初めてじゃねーもんな……」そう呟いた一言に罪悪感だけがわいてきていた。



綺麗な目をしている飛翔くん


なのに時々冷めた目をする飛翔くんに凄く引き寄せられた初めて逢ったあの日



見つめ合う度、すぐに視線を反らしてしまっていたのは、あまりにもその瞳を見続けてしまうのが怖いから……



あたしと同じ目になってしまったらどうしよう


そんなことに脅えたりもした。



部屋が決まり、エレベーターに向かう飛翔くんの背中を見つめながら後に続いた。



ーーガチャーー


ドアを開けた瞬間に飛翔くんの足はピタリと止まった



「飛翔くん……?」



「あ、ごめん」


「う、ううん」



何を考えているの?



今何を感じているの?




「なんか、すげーなぁ!!これじゃ、変な緊張するわ」



「本当だよね?」



「すげーなぁ!!」



はしゃぎながらベッドに飛び込んだ飛翔くんに続いて、あたしもベッドに飛び込んだ。



「わぁ~い!!なんだか寝れちゃいそうだな♪」


「本当に、お前は子供みたいだな!!」



「そんな事ないもん!!」



何もかも忘れてしまおう



飛翔くんへの愛だけを胸いっぱいにして



今だけは……


道徳もすべて……。