「なんか、頭が痛くて気持ち悪いの……」


一体あたしは今どんな顔をして旦那にこんな嘘を並べているのだろう。


だけど、あたしが今旦那を拒否する罪悪感よりも、


旦那に抱かれてしまった方が、飛翔くんに対して罪悪感が残る……



「えっ?じゃぁ、早く寝ろ?」


「うん、ごめんね」


そう言いながら、慌てて化粧だけを落とし、パジャマに着替えると布団の中に潜りこんだ。


肩手には携帯


だけどなぜだろう、いつもよりその携帯は重く感じる。



さっきの飛翔くんからのメールの言葉だけが頭の中を支配していて……



《俺がもし、旦那と別れてって言ったらどうする…?》



分かっていたんだ

いつかこういう時がくることを


飛翔くんが求めているのは、あたしとの未来。


きっと、あたし達に未来がないものだと分かってしまったら、いなくなるだろう。



『未来のない恋愛は不安にさせるんだだよ』



いつか、そう言っていた飛翔くんさえも思いだす。


あたし達はもう、ここまでなのだろうか


あたしはきっと、それに触れられることを恐れながら飛翔くんの傍にいたのだろう。


酷い女……


結局あたしは、自分が傷つくのが怖いだけで


飛翔くんの気持ちなんて何も考えてやしないんだ。


旦那がいる部屋からテレビの音が聞こえだした瞬間にあたしは携帯をそっと開いた。


黄色いホタルが点滅している。


さっきの返信はまだしてないのに、飛翔くんは遅すぎるあたしの返信に待てなくていれてきたに違いない。




《ごめん、こんなこと言って俺、苦しめてるだけだよね?でも、ずっと一緒にいたいんだ、もう離れて過ごすのが嫌なんだよ……》



そのメールを見ながら、あたしの目からは涙が零れた。