………!?



飛翔くんが曲がってくるのを待ちながらゆっくりと走っていたあたしの足は咄嗟にブレーキを踏み込んだ。



いつもはあたしの家の付近まで後ろを着いて走り、お決まりのようにクラクションを鳴らす


なのに、今日飛翔くんは左に曲がった。


えっ……!?


信号があるわけでもないのに、動くことをやめているあたしの車


何かあったのかと携帯を確認したが、鳴る気配もメールがくる気配もない。


どうしちゃったの?


あたしが帰るって言ったから?


だけど、それはいつものことなのに……


プップゥーーーー!!!!


後ろから鳴らされたクラクションに驚きバックミラーで確認すると、あたしの車の後に2台の車がいて、慌ててアクセルを踏みなおした。



どうして……



慌ただしく鳴り始める鼓動、それが息をすることさえも苦しくさせる


駐車場に着くと、いつもの飛翔くんとの約束を破りメールを作り始めた。



『着いてから必ずただいまメールを入れること』


心配性な飛翔くんが口すっぱく言っていたこと。



そんなことなんて、今のあたしにはどうでもよくて、慌てて送信した。



《どうしたの?》



携帯を片手に家へと向かうと、玄関の前でホタルは姿を現した。



《着いたのかよ?》



《うん、ごめんね。ちゃんと着いてるよ!》




《なら、いいけど……》



そのメ-ルからは飛翔くんのさっきの行動が何も読み取れない。


聞かなきゃ分からない……

不安な心を抱えながら、ゆっくりとメールを送った。