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「いやーーーーーーー!!!!」
「流奈ちゃん……ごめんね……」
彼によく似ている、彼のお兄ちゃんは、声を震わせそう呟きあたしを支えながらもしっかり立っていた。
真っ白な病院のベッドの中で、彼は寝ていた
綺麗な顔をして
少しだけ笑っているように見えたのはあたしだけだったのだろうか……
『お前って、花に例えると向日葵みたいだな』
『なんでよ~じゃあ、翼は太陽だよ』
『お前を照らす太陽かぁ~じゃあ俺がいなきゃ輝けないんだな~!』
『そうだよ!輝けないし、枯れちゃう…』
『大丈夫、俺はいなくならないよ』
ーーー俺はいなくならないよーーー
「……つき、翼のうそつき!!!」
ずっと一緒にいようって、
いつか結婚して幸せな家族を作ろうって
約束したじゃない……
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愛というものを知り
愛というものと自分を
一瞬で失ってしまったあの日……
この世に“ずっと”なんてものはないと知ってしまった
16歳の秋……



