「ちょっ……」
「見られたらまずいの?」
「えっ……?」
「だよな、俺みたいのが男と思われるのもな」
そこには、さっきまでの目尻の垂れていた飛翔くんがいなく、悲しそうな目をして肩を落としてあたしから離れた姿に心臓がキューッとと痛くなり、思わず飛翔くんにしがみつきキスをすると驚いた顔をして目を大きく開いた。
「見られたらまずい?」
「えっ……?」
「お返し♪じゃあ、着替えてくるね」
小走りに店に戻るとトイレに入り自分の顔を見つめた
壊れてしまいそう
飛翔くんに逢うたびにあたしの心臓が……
心臓の辺りに手を添えると、そのまましゃがみこんだ。
《飛翔くんどうやって帰るの?》
店に着いて、気づいたがあんなに酔っ払っている飛翔くんはどうやって帰るのだろうか
《代行呼ぶから平気だよ、それより家着いたらメールちょうだいね!!》
《了解っ♪待っていてね》
メールを送信し、そそくさと着替え店を後にしようとすると後から千秋の声がした。
「それで運転するの?」
あっ……
鍵を片手に駐車場に向かおうとすると飲酒運転を心配した千秋が駆け寄ってきて、あたしから鍵を奪うと先に歩きだした。
忘れていた
自分が今日、飲んでしまっていること
そして千秋と一緒に帰ることさえも……
「ごめんね」
「いきなり店終わった瞬間に消えたかと思ったら、戻ってきたかと思えば店飛び出すし」
「えっ……?」
千秋が話していることは紛れもなくあたしの行動であるが、
こうして言われると周りがあまりにも見えていないことに恥ずかしくもなり、改めて翔飛翔くんの存在の大きさがよく分かってしまう。



