「そうそう!ねぇ?足だして?」



飛翔くんから体を離すと不思議そうに、視線を足元に向けて首をかしげてる飛翔くん。


「足??」


うんうん、と笑顔で頷きながらあたしはバッグからミサンガを取り出すと、飛翔くんの足を自分の方に引き寄せた。



「なに??」


「いいから目つぶってよ」



いやらしそうにニヤつくば「チュ~でもしてくれる?」なんて言われて、「ばかっ!!」と強く言いながらも平常心を保つのが大変だった。



飛翔くんが目を瞑る……



なぜだか、緊張し一瞬だけその顔を見とれてしまいながらも、慌てて目を反らし、消えろ!!と頭を振った。




飛翔くんの足首に結ぼうとしている手が、かすかに震えているのが分かり、一度放しながら、手を開いたり閉じたりと動かした。




あたし、本当にどうかしちゃっている。


自分じゃない自分に首をかしげながら、それを結ぶ



「できたぁあああ!!!」



おもいっきり息を吸った後に吐き出した言葉達は近所迷惑になりそうなくらい大きな声だった。



「おぉ!!すげーじゃん、ありがとうな!」



あたしに負けないくらいの声を張り上げ喜んでくれる姿をみて、涙腺が緩んでいっているのか、鼻がつ~んとしたが、目をこすっているふりをしてごまかした。