「できたぁー!!」

そう呟くと、あたしはニヤけた顔が戻らない。


2本のミサンガ……


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『ねぇ?飛翔くんは何色が好き?』

『え?なんで?』

『いや、何色が好きなのかな?と思って』

『黒に灰色に茶色に白に青か……暗いな、なんで急に?』

『聞いてみただけ』

『ふーん』

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そう、飛翔くんの好きな色を混ぜて、あたしはそれから、店が終わってから、メールをしながら、みんなが寝た後に、少しづつお揃いのミサンガを編んでいた。


お揃いのもの付けてたいな……


一緒にいる時、そう飛翔くんが呟いていた言葉。


夜中にお互いパソコンを開きながら、ペアリングを探したこともあったけど、結局“薬指には付けて貰えないんだよな”の一言で、あたし達は、それを辞めたこともあった。


だから、同じものを一緒に……


色違いミサンガ。


だけど2つを並べるちゃんとハートになる。


喜んでくれるかな?


飛翔くんの顔を浮かべながら、出来上がった1本を自分の足首に結び、1つをバッグにしまいこんだ。




《流奈?今日も店の前に逢える?》


当たり前のように出勤日になるとくる一通のメール。


それでも、必ず逢えるかを確認する。


《逢えるよ!!》


だんだんと増えていく出勤日数……


正直、体は辛い……


でも求めている心があたしを無茶させる……



壊れてしまうのに恐れて……


繋がれないことに脅えて……