ブブブブブーーー
ダッシュボードの上で、携帯のランプが点滅しながらメールを知らせている。
ふと、時計を見ながら大貫さんの顔が思い浮かび、それと同時に飛翔くんの視線を感じたが、平然を装った。
「流奈、携帯鳴ってるよ」
「メールだから大丈夫!」
少しだけ、携帯の方に視線を送ったが、あたしは笑いながら飛翔くんを見つめた。
「てか見ろよ?」
その言葉は凄く冷ややかで、あたしは飛翔くんの顔を見れずにいた。
「あ、うん……」
刺のあるようなその言い方に、あたしは視線をおとしゆっくりと携帯に手を伸ばすとメールを開く。
良かった……
大貫さんからではない。
安心しながら、友達からのメールをざっと見ると、閉じて「ごめんね」そう小さく呟く。
「……だろ?」
「えっ??」
飛翔くんが口を開いたが、車の中でガンガン流れている音楽のせいでかき消されて上手く聞こえない、そして、表情は強張っていくのがよく分かる。
「だから、男だろ?メール」
「違うよ?」
笑ってみせたが、飛翔くんがあたしを見つめる目はけして笑ってなんかいない。
何かを疑うような眼差し。
いっきに、車の中の空気が重くなっていく。
「いいよ、別に嘘なんかつかなくて……」
もう、笑顔で飛翔くんを見ることさえも出来ないような状況で、あたしは携帯を開き飛翔くんに差し出していた。
「本当に違うよ?見て?」
ーーパンッ!!!ーー
その時、あたしの手を振り払い携帯が足元に落ちた。
痛い……
手が痛いんじゃない。
心臓が、キューッと苦しくなる……
飛翔くんがあたしに向ける眼差しが凄く痛い。
「あっ、ごめん……」
「ううん……」
それでも、あたしは拾いながら笑っていた。
飛翔くんを視界に入れずに……



