「なぁ、流奈?」


「んっ?」


「俺の事、好き?」


「うん!!」


少し照れくさそうに、飛翔くんから視線を放してそう言うと「言葉にしてくれなきゃ、わかんねぇ~!」と大きな声で返された。



今まで、本人を目の前にして好きだとか、大好きだとか、言葉にしたことなんてなかった。



好きだから傍にいるんでしょ?

言わなくても分かるでしょ?



そんな冷めていた人間だったはずなのに……



「大好き……」


「俺もだよ」


気が付いたら、顔を飛翔くんの胸にうずくめながら素直に言っていた。



24度でも、あたしにはまだ寒すぎる空間。



だけど、飛翔くんは凄く温かくて……



飛翔くんのぬくもりだけで、心も体も暖かくなっていく。



幸せな空間……




「流奈、照れてる?」


「うるさい……!!」


「じゃあ、もう1回顔見て言ってよ」


「それは無理……」


「あ~さっきの嘘だぁ!!」


「嘘じゃないよ!!」


「じゃあ言ってよ」



「……好き」



「流奈!!!ありがと」



そう……



時間の限られている2人の幸せな空間……。