「流奈、割り切れる?俺と割り切ってできる?」
その力強い目と言葉をあたしの心に突き刺してくる飛翔くんに、あたしは静かに口を開いた。
「出来ない……こんなに感情入ってるのに、でも…どうしたらいいか分からない」
「色々あると思うんだ、こうゆう関係は」
「分かってる」
前のあたしなら、きっとその場に動じない仮面をつけ、そして簡単に答えをだすのだろう。
割り切る?
そんなこと簡単だったのかもしれない。
感情さえ、入らないうわべだけのものなんて、いくらでも作りだせるから
でも、もう、あたしはそんな仮面を持ち合わせていない。
動き初めてしまった感情はきっと
もう戻れない所まで……
「流奈ね……」
そしてきっと、
今から話そうとしていることは、飛翔くんから軽蔑されるかもしれない。
ああ、冷めた女なんだってそう思われるかもしれない。
だけど、その自分こそが本当の自分。
もう偽りの自分なんか、作る必要なんてない。
そんなもの必要ないんだ……



