ダン ダンッとボールの音が体育館に響く。
今、時間は朝の6:40くらいだから体育館の中にいるのは俺一人だけ。
キュッっとシューズを鳴らして高くジャンプする。  
 カシャンッと音がしてゴールにボールが当たった。
くるくると回ってボールはゴールに入った。
  着地した時後ろから小さな拍手が聞こえた。
 「タケル君、すごいね。」
あっ・・・俺の名前は山和タケル。中学3年。
俺はボールを拾いながら返事をする。
 「・・・そんなことないよ?」
いつも練習の途中に声をかけてくるそいつは俺の幼なじみの友菜(ゆな)。
 「上手だと思うんだけどなぁ~・・・」
そう言いながら少し考えるように首をかしげる。
いつも思うんだけど・・・なんでこいつこんな早くに学校来てんだろ?
 「あっ・・・。先に教室行っとくね!!」
時計を見て俺に背を向けようとする友菜に慌てて呼び掛ける。