猫っかぶりな優等生ちゃんと狼くん。


周りに合わせて笑いながらお弁当を食べ進めていた時だった。



「おっ、高橋さんの唐揚げ旨そうだね」


突然頭上から声が聞こえてきたと思ったら、次の瞬間にはあるはずの唐揚げがなくなっていた。



「ない…」




実は唐揚げが大好物のあたし。



最後に食べようと思ってとっていたのに。



沸々と沸き上がる怒りを抑えながら、あたしの唐揚げを食べた犯人をジッと見た。



「あっ怖いよ。高橋さん。優等生がそんな顔しちゃダメでしょう」


そうヘラヘラした口調で言うのは同じクラスの相川亮輔。


あたしのもっとも苦手な人物。