猫っかぶりな優等生ちゃんと狼くん。

それでも、中学の頃はまだよかった。その頃から優等生キャラを演じていたけど、ホントの自分をだせる仲がよかった友達もいた。

けど、ここには仲がよかった友達はいない。


誰にも心を開けない人達の中で優等生キャラを保たなきゃいけないことは想像以上に大変だった。正直、疲れる。


「繭、一緒にお弁当食べよう」


昼休みに、そう声をかけてきたのは同じグループの坂井理沙。

明るくて、誰からも好かれる優しい子。


他に、ほんわかマイペースの井口優香


ちょっと冷めた大人っぽい山口絵里




そしてあたしを入れた4人グループだ。


みんなは、あたしの事を大人しいねという。


そう言われる度に、なんだか胸がチクンと痛む。


ホントのあたしは、大人しくなんてない。あたしは、もっと騒ぎたいし、お喋りだって大好き。

小さかった頃のあたしみたいに、もっと大きな声でバカみたいなこと言って大声で笑いたい。


けど、優等生でいなきゃ、いい子でいなきゃって想ううちに、本当の自分を見せられなくなっただけ。

ただ、人の目を気にする人間に、なっただけだよ…。