あたしを壁際に追いやると、逃げられないように自分の両手を壁に付けて体を近付けてくる相川くん。



ドンドン近づいてくる相川くんの顔から顔を背ける。


「ちょっと…近づいてこないで」


背けたまま言ったあたしの顔を、相川くんの手が触れると、そのまま顔を上にあげられた。



真正面に、あたしの顔をジッと見つめる相川くんの瞳。


相川くんの顔がニヤリと笑った。ゾクっと背筋に寒気が走った。


ゆっくりと開く相川くんの唇。


何を言われるんだろうと身構えた。


「お前さ、俺と付き合え」


「えっ…?」

戸惑ってるあたしの顔に触れたまま、相川くんは、フッと笑うと、あたしの唇に自分の唇を重ねた。

あたしは、予想もしていなかった相川くんの行動に思考が完全にストップした。