猫っかぶりな優等生ちゃんと狼くん。


午後からの授業は、相川くんのせいで気分がムシャクシャして全然、先生の話が頭に入ってこなかった。


放課後になっても、その気分はおさまらなくて。ムシャクシャした気分のまま、学校から歩いて15分の距離の場所にある、週に1度のピアノのレッスンに行ったら

「なんですか?その汚い音は」と叱られる始末。

あぁあ、なんか楽しくないな。元々、ピアノは余り好きじゃなかった。幼稚園の頃からお母さんの意向でずっと続けてるけてるから、それなりにバッハとか、モーツアルトとか弾けるけど、ちっとも楽しくない。

というか、クラッシックが余り好きになれない。いい曲はたくさんあるの分かるけど、なんか、どうしても弾いてて心から楽しいと思えない。


あたしは、ロックが好きなの。

ギターやドラム、ベースの音がグワーン!て響いて、ハートがこもった歌声で歌うボーカルの声が好きなの。

あたしがやりたい音楽は、クラシックじゃなくて、ロックなんだ。

けど、それを言えない優等生のあたしが嫌い。



もう、なんて最悪だ。