猫っかぶりな優等生ちゃんと狼くん。


「もう一つもらい♪」と、最後に残ってた唐揚げさえも取っていった彼。



「えっ!?ちょっ!!」


そう言いかけて止めた。



それは、みんなの視線が集まったからだ。



クラスの中で『優等生』としてのキャラが定着している今、そのイメージを覆す行動をとるのは、後々面倒だ。



あたしは、何事もなかったように空になった弁当箱の蓋を閉じた。



「チェ。やっぱり優等生ちゃんだな。お前って」



相川亮輔の冷めた言葉を無視して。