「空ぁ~っ!」

「なに」

「ここ、わかんねぇーっ!」

「……めんどくさ」



あたしはあの日から。

好きだと自覚したはいいものの、やっぱり素直になれずにいた――。


涼太にさえ…、いや、涼太だから?

あたしは本当に口が悪い……。

直したいけど、今さら恥ずかしいし。

どうしても、可愛くないことばかり言ってしまう。


普段はやっぱり、目線も交わさないあたし達だから、
放課後のこの勉強時間が、
あたしの一番好きな時になっていた。


……だって、涼太があたしだけに笑顔を向けてくれる時間だから…。