嘘つきな恋





「空ちゃん、かわいいね!」

「え?」

「笑ってる空ちゃん、すっごくかわいいっ!」

「わっ!!」


そう言って、知紗はあたしに抱きついてきた。

……可愛いのは、知紗でしょ。


あたしの胸にすりすりと頬を寄せて、ニコニコしてる知紗の方が、あたしなんかよりよっぽど可愛い。


けど、
『いや、可愛いなって思って…』


涼太に言われたことをやっぱり思い出してしまう――。


……“可愛い”?
そんなこと、言われたことないよ…。

涼太のくせに、バカ…。