考えてみれば。
こんなに歩み寄って来てくれるのは、知紗が初めてだった。


いや、その前に涼太がいたけど。


二人からは、何か同じ匂いを感じる。


『超仲良しじゃん!!』

昨日涼太が言った言葉が本当なら。

きっと知紗とも仲良くなれる。

――そう思った。


「で、宮下さんはなんで溜め息吐いてたの?」

「…いや…別に良い…」

「別に良くなぁーいっ!」


知紗は拳を握り、大きな声を上げた。

……この子。
今までのしおらしさは、どこに……?