……………ん?

あれ?

あたし…?

……ちょっと待ってよ!


あたし、“何”をした?
涼太なんかと、“何”をした?


頭がぼーっとしてて、あまり覚えてない。

だけど、気づいたら。


――涼太の手が頬に触れて。

――涼太の顔が近づいて。

――涼太の唇が触れて。

――涼太の顔が離れて。


“唇”って……、


………キ…


「……き……きゃ―――っ!!」


あたしの叫び声が、誰もいない教室に響きわたった――。