「いやっ!」
『頑張るのは俺』って一番初めに言ったくせにっ!
てか、頑張るのなんて当たり前だし!
今さら、ご褒美とかバカじゃないの?
「なんで?」
涼太は小首を傾げてる。
おやつを取り上げられた子犬みたい…。
でも、あたしにはそんなの効きません。
「何にも持ってないし、めんどくさいし!」
我ながらの理由に感動。
それにバカ涼太のくせに、ご褒美もらおうなんて生意気。
「別にそのままでいいから」
そう言って、ガタッと音をたてて立ち上がった涼太は。
左手を机に置いて、右手をあたしに伸ばしてきた―――。

