「…ぷ…」 涼太のバカ。 何をそんなに恥ずかしがってるのか、全然分かんない。 涼太がやきもちを妬く理由も、全然分からない。 …本当に、涼太はバカだ。 「…あははっ」 “言いたくない。 言ったら、負けたみたい。” あたしが思っていたことを、 涼太も思っていたのだろうか。 でもそもそも、この気持ちに勝ち負けなんてあったんだろうか。 分からない。 分からない、けど…。 「あははっ!」 あたしは、久しぶりに笑っていた。