あちきは、鬼の子 今、世間で最も恐れられている鬼の子 親に捨てられ、寺に拾われ、花街に売られた。 私の体の中ではもう変化が起こっている。 一日一日、少しずつ"変化"の時を待っているのだ。 私は恐ろしさのあまり外に飛び出した。 外は寒かった。 2月の凍てつく寒さまでも、私を追い立てているように思た。 空には無数の星が輝いている。 土手に寝っころがり空を見上げた。 襦袢が夜露で濡れた。 息は白い。 目を閉じて大きく深呼吸した。