私は急いで部屋に戻った。


巾着の中に入っている水晶を探す。



伊東様はまだ眠っている。



伊東様を起こさないようにゆっくりと部屋を出た。



恐る恐る水晶を出した。



廊下は灯籠の光で照らされていた。



透明な水晶


私は、灯籠の光に水晶を照らした。



なぜか何か見える気がした。



キラキラ輝く水晶の中には、宮家の御門である桜が映し出された。



「これは…」



いままであった全てが今繋がった。