「もうよい。さがれ」
菜の花に向かって背を向けて言った。
「姐さん!!すんませんでした。姐さん!!!!」
大粒の涙を流し私に向かって謝る菜の花。
だけど、私はその言葉を聞き入れなかった。
「さがれと言っておるのがきこえんか!!破片持って下がらんか!」
まだたった7つの娘に強い口調で言った。
可哀想なんて思いはこれっぽっちもなかった。
菜の花は涙を袖で拭くと、ビードロの破片を丁寧に、
小さくてカサカサな手に乗せた。
「姐さん。すんまへん」
そう言ってでて行こうとする時だった。
「あっ!!!!!!」
菜の花手から赤い血が流れ出た。

