それから、ムクッと立ち上がり もう一度私を抱き寄せた。 ゆっくりと戸口へ向かう。 ゆっくりとたった九尺ばかりの戸口までを歩いた。 「みやこ…。」 女性は首にかけていた何かを私のくるみの中に忍ばせ、戸を開けた。 そこには五人ばかりの僧侶と乳母(めのと)であろう老婆がいた。