十六夜桜〜全ては愛から始まった〜




それから、ムクッと立ち上がり
もう一度私を抱き寄せた。







ゆっくりと戸口へ向かう。






ゆっくりとたった九尺ばかりの戸口までを歩いた。






「みやこ…。」






女性は首にかけていた何かを私のくるみの中に忍ばせ、戸を開けた。






そこには五人ばかりの僧侶と乳母(めのと)であろう老婆がいた。