1867年
大政奉還。
徳川200年の歴史に終止符を打った。
世はまだ混乱状態。
そんな中、俺は、20歳になった。
武家が全てを握る世界は終わった。
俺が、奉公していた松本家も攘夷派に撃ち取られた。
俺は、なんとか逃げ出し京へ上がった。江戸とは全く違う風景。風習。
働かなければ食べていけない。何とかして、職を探さなければならなかった。でも、できることは限られている。
武家出身と言うだけで切られ、周りからは仇討ちされる。だから、この事は、誰にも教えられない。
慣れない京の道を探りながら進んで行った。
竹薮を抜けると、そこには寺があった。