ピカピカに輝いている廊下を進む。塵ひとつない廊下から色々な事が想像できた。 "桜の間" ヤスは立ち止まり、ゆっくりと襖を開けた。 そこには、一人の遊女が座っていた。広い部屋にたったひとり。 だけど、広さよりも、その美しさに目を奪われた。 「よくお越しくださんした」 俺はその目に吸い込まれた。 黒い眼に黒くて長い髪。 まさしく花魁だ。 浮世絵から飛び出てきたように… ベタな表現ではあるがまさしくそうだった。