十六夜桜〜全ては愛から始まった〜




ここでは女は商品



男は客





一人の遊女は煙管をくわえ、
また違う遊女は着物を太股まで捲り、白く雪の様な脚をちらつかせている。




俺は、キョロキョロと周りを見渡した。



だが、ヤスはそんな遊女には目も向けずただまっすぐに進んでいた。



やがて、一番奥に立派な建物が見えてきた。



入り口には大きな提灯。
柵の向こうには、さっきの遊女とは比べ物にならない程の遊女達が並んでいた。




それにもヤスは目も向けず、立ち止まった。