ここでは女は商品 男は客 一人の遊女は煙管をくわえ、 また違う遊女は着物を太股まで捲り、白く雪の様な脚をちらつかせている。 俺は、キョロキョロと周りを見渡した。 だが、ヤスはそんな遊女には目も向けずただまっすぐに進んでいた。 やがて、一番奥に立派な建物が見えてきた。 入り口には大きな提灯。 柵の向こうには、さっきの遊女とは比べ物にならない程の遊女達が並んでいた。 それにもヤスは目も向けず、立ち止まった。