次に目が覚めると、朝日が燦々と大地に降り注ぎ、気持ちのいい朝だった。
僕は、我にかえった。
昨日の少女の事を思い出したんだ。後ろを振り替えると、そこには桜どころか、木など一本もなかった。
ただの野原。
あれは、夢だったのだろうか。
それに、握っていたはずの小刀までもなくなっている。
手にも懐にもない。
でも、着物の袖口には、べったりと帰り血がついていた。
夢じゃない。
でも、何度見返してもなかった。
野原を探し回った。
何か、あるのではないかと。
僕の勘は当たった。
木があった場所に真ん丸い水晶玉が落ちていた。
僕はすぐに水晶玉を懐にしまい、急いで家へ帰った。