「花魁。父様がいらしてるでありんす」 涙を拭き大きく深呼吸をする。 そして、襖をゆっくりと開けた。 「父様御上がりくださんし」 父様は表情ひとつ変えずに部屋に入った。 沈黙が流れる。 「春琴。お前に身請けの話が来ている。伊東殿との身請けだ」 「へぇ」 「薄々お前さんも気付いておっただろう。伊東殿は早めに引き取りたいと言っておる。どうだ?春琴?」 「おいくらで」 「ざっと200両だ」 「へぇ」 200両。 私に付けられた値段だ。 「1日考えさせてくださんし」