十六夜桜〜全ては愛から始まった〜





「花魁。父様がいらしてるでありんす」





涙を拭き大きく深呼吸をする。




そして、襖をゆっくりと開けた。




「父様御上がりくださんし」




父様は表情ひとつ変えずに部屋に入った。




沈黙が流れる。






「春琴。お前に身請けの話が来ている。伊東殿との身請けだ」




「へぇ」





「薄々お前さんも気付いておっただろう。伊東殿は早めに引き取りたいと言っておる。どうだ?春琴?」





「おいくらで」





「ざっと200両だ」






「へぇ」





200両。
私に付けられた値段だ。




「1日考えさせてくださんし」