十六夜桜〜全ては愛から始まった〜



親のいない私には、この温かさを感じる度に幸せを感じる。




そして、温もりを感じる度に"傷"が痛む。







「伊東様…。そこは…」



「いいではないか…何度も寝ている。どうして見せてくれないのだ」



伊東様は無理やり着物を剥ぎ取ろうとする。




「お止めくださんし!!!!」




伊東様を突き放してしまった。




「申し訳ありやせんが、お引き取りください…」




そう言って、神楽の間を飛び出した。



階段を上がり、自分の部屋に戻るとすぐに涙が溢れた。




私は生きていていいのだろうか。



私は誰なのか。




着物を全て脱ぎ捨て鏡に向かった。




背中にある傷。
龍のような形をした傷。