王子様に恋して 番外編

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数日後、すっかり体調が良くなったわたしはアルにワイナリーへ行こうと誘われた。



「忙しいのにいいの?」



ワイナリーへはパパとママが昨日から行っていて楽しんでいると電話で話をした。



「その代り、夜には戻って来なくてはならないけどね ツァールトに乗りたいだろう?」



ツァールト!



そうだ!ツァールトに2年以上も会っていない。



「うん!乗りたいっ!会いたいっ!」



妃殿下がこんな話し方をしたらすぐに大目玉だけれど、アルと2人っきりの時は構わないと言ってくれ、その方がリンらしく好きだと言ってくれたから直せずにいる。



もちろん、他の人がいる時には少し堅苦しく話しているんだけど。



パパたちはあと2日で日本へ帰ってしまうから会っておきたい。



支度を済ませると、防弾ガラスの入った王室専用車に乗ってワイナリーへ向かった。



防弾ガラスと聞けば怖いと思ってしまうけれど、王室の誰かが襲われたことは今までないらしい。



しかし、この世の中何が起こるか分からない。



念の為の車だと。