王子様に恋して 番外編

「も、もう治った」


「本当に?確かめてみよう」



手が伸びて抱き寄せられると、アルの唇が耳朶に触れた。



「っ……ぁ……」



ぞくっとする感覚に思わず声が漏れてしまう。



「ァ、アル、泡だらけになっちゃうよ」



アルの行動に驚いて腕から逃れようとする。



「かまわない」



「そ、外にジーナさんがっ」



「出て行ってもらった うるさい口、塞いでいいかな?熱を確かめないとね」



顎に指がかかり、少し上に持ち上げられて唇が強引に重ねられた。



「んっ……」



口内の隅々まで確かめるようにアルの舌が動いていく。



そんなキスされたら……



ガクッと膝が折れてアルの肩にしがみつく。



胸が痛いくらいに張っていく。



唇から顎を伝わり喉元にキスをされて、甘い吐息と水音しか聞こえなくなった。