王子様に恋して 番外編

「リン!何をしている!」



シャワーを浴びている最中にドアが開いて、アルが入ってきた。



怒っている様子に身体を洗っていたわたしの手は一瞬止まる。



「きゃーっ!」



素肌を隠しようもなく思わず叫び声を上げる。



「なぜ叫ぶんだい?まるで変質者でも入ってきたようだね?」



「だ、だって!アルっ!出て行って」



手に届くところにあったタオルを引っ張り、身体を隠そうとする。



「そんなに恥ずかしがらなくても……」



怒っていたはずのアルは、わたしの行動に驚いたみたい。



深いため息を吐き、もっと近づいてきた。



「体調が悪いのにシャワーなど浴びてはダメだろう?」



わたしを見つめるアルの視線は艶をおびている気がする。