王子様に恋して 番外編

「何度もアルフォンス様がご様子を見にいらっしゃいましたよ」



わたしは相槌を打つと、広すぎるベッドから降りた。



すかさずジーナさんがベビーピンクのサテンローブを肩から羽織らせてくれる。



「ありがとうございます」



お礼を言うと、ジーナさんが首を横に振る。



「まだ直っていませんね?使用人の私にお礼を言う必要はございません」



「ぁ……」



わたしは笑ってごまかしてバスルームに向かった。



シャワーを浴びながら、今日一日を無駄にしてしまったなと後悔していた。



やることはたくさんあるのに……。



まだまだ勉強が必要なわたしと、執務が忙しいアルだから、新婚旅行は2か月後に予定を組まれている。



それまで、語学に磨きをかけ、教養にも磨きをかけ、クレーメンスの王室の一員として恥ずかしくないように教育される。



ハネムーンは地中海の島。



わたしが煌も連れて行きたいと言ったから、ハネムーンと言うよりは家族旅行。



お世話してくれる使用人たちも来てもらうから場所が変わっただけみたいな感じになるであろうと思っている。