王子様に恋して 番外編

どうして、ため息が出るの?わたしなんか変なこと言っちゃった?



わたしはそんなアルとアーレ兄弟を交互に見る。



「リン、彼らは勝手に撮っているんだ 撮ってもらわなくても私達は何も困らない」



「それは分かってるけど……言ったでしょう?変顔を撮られたくないのっ」



「君は可愛いから万が一、撮られたとしても大丈夫だよ」



アルが言うと、フェリクスが続ける。



「リン様、撮られないのが一番良いのです 隙あらばシャッターチャンスを狙っている奴等なのですから 彼らに心を許してはいけません」



フェリクスにまで言われてしまい、わたしは座席に深く沈む。



「リン様は王室の一員なのですからもう少し自覚をお持ちください」



そう言うのはエルンスト。



そうなのかな、やっぱりわたしの考えが浅はかなのかな……。



わたしが落ち込んでいると思ったのか、アルは空いている左手で肩を抱き寄せてくれた。



「もっと図太い神経にならないとね?そんなに繊細では疲れてしまうよ」



「ん……」



繊細ではないと自分では思っているんだけどな。


それに図太くなかったら、アルの奥さんになれなかったよ。



「目を閉じて、着くまで休むといい」



髪をゆっくり撫でられるのが心地よくて、言われるままに目を閉じた。