「美奈は良い子ね。」
お母さんは、いつも妹のことをほめる。
わたしたち、美奈と奈那は一卵性双生児だ。
顔も瓜二つ。声も瓜二つ。
なんでもかんでも、おそろいなのだ。
でも、違うところがある。
美奈は、男子にもてるし頭もいい。
でも、私は違う。
男子は、私を女友達としか、思ってないし。
頭も中の下・・・。
ただ、私には運動神経がよかった。

私は、心のどこかでおしとやかでかわいい美奈に憧れていた。

「奈那~???おはよっ!!」
笑顔で笑いかけてくれる、友達の華(はな)。
この子とは、相性抜群で学校でも『奈那華コンビ』って言われてるくらい。
「おはよ~。」
「あれ?元気なくな~い???」
さすが、友達・・。鋭い。

「何にもないよ~。とにかくいこ??学校遅れちゃうよ??」
美奈と私は、一緒に学校へは行かない。
でも、美奈は時々分からない。
私が、髪型を変えると似ている髪型にしたり、美奈の成績で行ける高校はあるのに、
私と同じ普通レベルの高校に入ったり・・・。

「美奈ちゃん??」
「は???」
この人、美奈と勘違いしてるみたい。
よく、あるんだよね・・・。
こういうの・・・・。
「美奈ちゃん。俺、君のこと・・・」
はぁ・・・また、このパターン・・・。
「あのぉ~私、美奈の双子の姉ですけど・・・??」
言ってやったし。
きっと美奈が髪型を真似したから、間違えられるんだ・・。
「へ???あっそ。」
そいつは、勝手に走り去って行った。
「奈那も大変だねぇ~毎朝毎朝。」
「もう!!しょうがないじゃん。」
ほんとにしょうがないし。