幸せの明日

「あははは♪♪」

アタシと明日香が休憩時間の間ゆっくりしていると、外から集団の笑い声が聞こえてきた。
そしてその笑い声はアタシと明日香が乗っているバスに近いて来る…。

そしてその声の主達はアタシ達のバスに入ってき、目の前に現れた。
「…!!」
「…?」

明日香はその人を見た瞬間声を出せずにいた。

「大崎…恵。」
アタシの名前を口にした女。
それは何処かで見覚えのある顔だった。

「荒瀬アユリ…」
明日香がゆっくりと口に出した名前。
荒瀬アユリ…?
聞いた事のない名前だった。
「大崎恵…この間の事、忘れたとは言わせない。」

「この間…?アタシ何したっけ?」

「てんめぇ!!何しらばっくれてんの!?ふざけんなよ!?」

アユリの隣に居たもう一人の女が怒鳴った。
ネームには…高杉鈴音(タカスギリンネ)と書かれていた。

「アタシの胸ぐら掴んで喧嘩売っていったのだぁれだ!?」
アユリはそう言ってアタシを睨み付けた。

「別に喧嘩売ってないけど?何勘違いしてんの?」

アタシもアユリに負けじと言い返す。

長い長い睨み合いが続いた。
「恵っ…!もうやめよ?」

明日香がアタシを止めた。
「てめぇは…」
「は?」
アユリが口を開いた。
すかさずアタシが聞き直す。
「てめぇは邪魔なんだよ!!!」

―バキ!!―
鈍い音がバスの中に響いた。
アユリの拳は明日香の顔面に命中した。
「明日香!!?」
アタシは倒れこむ明日香に急いで近寄った。