幸せの明日

「大崎さん‐こちらの部屋へお入り下さい。」

「恵…?お母さんは何があっても恵を守るわ。」
お母さんはそう言うと優しく頬笑んだ。

そしてアタシ達は案内された部屋へと入った。



「大崎さん、検査の結果が出ました。まず、仮に妊娠していた場合、出産は考えていますか?」

―ドクン―
「いいえ…」
―ドクン―
「そうですか。なら都合がよかったです。」


「えっ…?」



「大崎さん、喜んで下さい。妊娠されていませんでしたよ。」


一瞬にして、時が止まった様に思えた。


「ホント…ですか?」
お母さんは医者に聞き直した。
「ええ。本当ですよ。」

「恵っ…!!」
お母さんはアタシを抱き締めた。
「グスッ……」
アタシは一気に安心したのか、涙が溢れ出した。