幸せの明日

♪〜♪
屋上に携帯の賑やかな音楽が流れた。
「大崎さん?携帯…鳴ってるよ?」

「あ…ホントだ。ちょっとごめんね。」


アタシは明日香から少し離れて携帯を開いた。

●着信 祐樹●
祐樹からの着信だった。
―ピ―

「もしもし?」
『あ、恵?俺だけど、今大丈夫?』
「うん。大丈夫だよ!」
『恵、今から会えねぇか?ちょっと用事があってさ。』
「用事?まぁ…分かった。何処に来ればいい?」
『じゃ‐あの川原で待ち合わせな?』
「じゃあ今から行くね。」

―ピ―
アタシはそう言うと電話を切った。
「ごめん明日香…ちょっと用事出来ちゃって。」
「ううん!全然いいよ。」
明日香はそう言ってアタシに頬笑んだ。

「明日香っ!これ!」
アタシは明日香に向かって小さな紙キレを投げた。
「…!!大崎さん…これ…?」
「アタシのアドレスと携番!!明日香の役には立てないかもしれないけど何かあったら連絡して?それと、恵って呼んでよ?」

「めぐぅ……ありがとう…!!」
アタシは最後に頬笑んで屋上を後にした。

もう…友達を失うのはいやだ……。
明日香を、大事にしよう。アタシはこの時心からそう思った。