「ごめん…」
「…は?いきなり何!?謝ったら許されるとでも思ってんの!?」
アユリがアタシを睨んだ。
「同情しないでよ!!アンタにアタシの何が分かるっていうの!!?」

「分からない…けど、アタシは…涼介から大切な事をいっぱい教えてもらった。大切な物をいっぱい貰った。荒瀬だって…そうだったでしょ…?」

「…っ!!ふざけんな!!きれいごとばっか並べやがって!!汚れてる人間のくせによ!!」

汚れてる人間…
けがれてる…
アタシハ…ケガレテル…

…そうかもしれない。
だけど…
アタシはアタシだから。
「荒瀬…人を傷つけてばかりだと…傷つけられた人も荒瀬も苦しいし、辛いんだよ…?だって…同じ人間なんだから…。」

アタシは優しく語りかけた。
そう…
同じ人間なんだ…

「…ぃで…」
アユリが小さく呟いた。
「…え?」
「ふざけないでぇぇ!!!アンタにアタシの気持ちなんか分かんねぇよ!!!」

アユリがアタシに走り向かって来た。
アタシは自分の目を疑った。
アユリの右手には…
ナイフ…。
背筋が凍り付いて動けない。
アタシの足…身体…
動け…
動け……
動け……!!

だけど決して動く事は出来なかった。

「死ねぇぇぇぇぇ!!」
ナイフが振り下ろされた。
そして……
―ザク―